AIエージェント環境「OpenClaw」の最新版、OpenClaw 2026.9.2が公開された。
今回の更新ではGPT-6 AstraとMeta Muse Spark 1.3に対応したほか、長時間動かしているAIタスクをGatewayの再起動後に復旧する仕組みが追加された。複数のAIを並列で動かすSwarmも標準で使えるようになっており、OpenClawを単なるAIチャットではなく、複数の仕事を任せる常駐エージェントとして使う方向がかなり明確になっている。
公式リリースノート
https://docs.openclaw.ai/releases/2026.9.2
GitHubリリース
https://github.com/openclaw/openclaw/releases/tag/v2026.9.2
- OpenClawとは何か
- GPT-6 AstraをOpenClawから使えるようになった
- Astraが考えている途中でも追加指示を送れる
- AIの仕事が再起動で消えにくくなった
- 長時間のAIエージェントにはかなり重要な変更
- Swarmが標準で有効になった
- GPT-6 Astraでは「Ultra」から委任も可能
- Meta Muse Spark 1.3にも対応
- ローカルAIの設定も簡単になった
- 長い会話でOpenClaw全体が重くなる問題も改善
- 設定変更のたびに再起動する場面も減った
- Web画面もかなり変わった
- アップデートする人はセッション公開範囲に注意
- 既存ユーザーは「openclaw update」で更新できる
- 初めて使う場合はWindowsにも対応
- AIエージェントを「長時間動かす」ための更新
OpenClawとは何か
OpenClawは、自分のPCやサーバー上でAIエージェントを動かすためのオープンソースソフトウェアである。
OpenAI、Anthropic、Metaなど複数のAIモデルを接続でき、ブラウザやファイル、ターミナルなどのツールも扱える。Telegram、Discord、Slack、WhatsAppなどからエージェントへ仕事を送ることもできる。
ChatGPTやClaudeのWeb版だけを使う場合と違い、OpenClawそのものがAIモデルというわけではない。複数のAIやツールをまとめて動かし、実際の作業を進めるための土台に近い。
2026年9月時点ではGitHubで38万Starを超えており、AIエージェント系OSSの中でもかなり大きなプロジェクトになっている。
GPT-6 AstraをOpenClawから使えるようになった
2026.9.2では、OpenAIが先日発表したGPT-6 Astraへ正式対応した。
OpenAI APIキーを使う場合は、
openai/gpt-6-astra
をモデルとして選択できる。
条件を満たすChatGPTまたはCodexアカウントから利用する方法にも対応しており、OpenClaw側でアカウントがAstraを利用できるか確認したうえでモデル一覧に表示される。
テキストだけでなく画像入力にも対応する。
Astraが考えている途中でも追加指示を送れる
APIキーとOpenClaw標準ランタイムを使う場合には、少し変わった機能も追加された。
GPT-6 Astraが長い仕事を処理している途中で、
「その方法ではなくこちらを使って」
「この画像も確認して」
「さっきの条件を変更して」
といった追加指示を送れる。
従来のAIでは、長い処理が終わるまで待ってから修正指示を出す場面も多かった。
OpenClawでは対応環境でWebSocket接続を維持し、Astraの処理中に新しい指示を渡せるようになった。
長時間動くAIエージェントでは、一度仕事を止めて最初からやり直すより扱いやすい。
AIの仕事が再起動で消えにくくなった
今回の更新で、モデル追加以上に実用上の影響が大きそうなのがタスク復旧である。
OpenClawはGatewayという常駐プロセスを中心に動いている。
以前はAIが長い作業をしている途中でGatewayを再起動すると、その仕事をそのまま継続できない場合があった。
2026.9.2では、条件を満たす実行中、待機中、別エージェントへ委任したタスクについて、Gateway再起動後に状態を復元して続きから動かせるようになった。
例えばAIへ数十分かかるコード修正を頼んでいる最中にOpenClawを更新した場合でも、対応しているタスクなら復旧できる。
長時間のAIエージェントにはかなり重要な変更
普通のチャットなら、再起動して会話が一度止まってもそれほど困らない。
一方、
大量のファイルを調べる
コードを書いてテストする
別のエージェントへ仕事を分ける
結果を集める
失敗した部分を修正する
といった処理を30分、1時間と続けている場合は事情が違う。
途中まで進んだ作業がGateway再起動で消えると、AIへもう一度同じ仕事を頼む必要がある。
今回の復旧機能は、OpenClawを24時間動かすような使い方ほど恩恵を受けやすい。
ただし、あらゆる処理が完全に再現されるわけではない。
公式ドキュメントでは、外部サービスへの操作が復旧時に重複しないことまで保証するものではないと説明されている。メール送信、購入、外部APIへの書き込みなど、二重実行すると困る処理では引き続き確認が必要である。
Swarmが標準で有効になった
OpenClawには「Swarm」という複数エージェントを並列で動かす仕組みがある。
2026.9.2からは、対応するエージェントなら別途実験機能を有効にしなくてもSwarmを使えるようになった。
例えば、
1体目にコード調査
2体目にテスト
3体目にドキュメント調査
を同時に任せ、親となるAIが最後に結果をまとめる、といった処理ができる。
AIを1体ずつ順番に動かすより、独立して進められる作業なら終了までの時間を短縮できる。
利用するモデルのAPI料金はそれぞれ発生するため、エージェント数を増やせば必ず得になるわけではない。それでも、時間のかかる調査や大きな開発では選択肢になる。
GPT-6 Astraでは「Ultra」から委任も可能
OpenClawからGPT-6 Astraを使う場合、対応環境では「/think ultra」も利用できる。
OpenClaw側ではAstraの最大級の推論設定を使いながら、必要に応じてサブエージェントへ作業を委任できる。
例えば大きなリポジトリを修正するときに、メインのAstraが全体を把握しながら、一部の調査を別エージェントへ渡すといった使い方である。
Astraそのものが長時間のPC操作やコーディングを重視しているため、OpenClawのSwarmとの組み合わせは用途が重なっている。
Meta Muse Spark 1.3にも対応
追加されたモデルはAstraだけではない。
MetaのMuse Spark 1.3も選択できるようになった。
モデルIDは通常版が、
meta/muse-spark-1.3
Contributor版が、
meta/muse-spark-1.3-contributor
である。
どちらもテキストと画像を入力でき、100万トークンを超えるコンテキストに対応する。
Contributor版は通常版と利用条件やデータ利用条件が異なるため、使う場合はMeta側の条件も確認した方がよい。
ローカルAIの設定も簡単になった
クラウドAIだけでなく、自分のPCで動かすローカルモデル周りも変更された。
OpenClawのセットアップがPCのメモリ、GPU、空き容量を確認し、その環境で動かしやすいモデルを提案する。
小さい構成ではメモリ8GiB程度から候補が用意されている。
さらに、モデルを標準に切り替える前に、
普通に回答できるか
実際にファイル読み取りツールを使えるか
までテストする。
文章は返せるものの、エージェントとしてツールを正しく使えないモデルをそのまま標準設定にしてしまう事故を減らす狙いである。
ローカルAIを試してみたいものの、量子化やモデルサイズを見てもどれを選べばよいか分からない人には使いやすくなった。
長い会話でOpenClaw全体が重くなる問題も改善
AIエージェントを長時間使っていると、会話履歴そのものが巨大になる。
2026.9.2では履歴処理の方法も変更され、長い会話を読み込んでいる最中でもチャット、ダッシュボード、ほかのセッションが止まりにくくなった。
巨大な履歴をすべて最初に処理するのではなく、最近のメッセージを優先し、古い履歴の一部をバックグラウンド側で扱う。
短いチャットを数回する程度では違いを感じにくいが、OpenClawを常駐させて大量のセッションを保存している環境では影響が出やすい変更である。
設定変更のたびに再起動する場面も減った
これまでは設定を変更するとGateway再起動が必要になる項目が多かった。
2026.9.2では、
エージェント
モデル
ツール
チャンネル
ブラウザ
ノード
アクセス設定
ターミナル
など、より多くの設定を実行中のGatewayへ反映できる。
再起動が必要な設定自体はまだ残っているが、ちょっとした変更のたびにすべての接続を切る必要は減った。
今回追加されたタスク復旧とも相性のよい変更である。
Web画面もかなり変わった
Control UIでは、チャットだけでなくブラウザ、ターミナル、ファイル、ダッシュボードなどを作業内容に合わせて配置できるようになった。
例えば左側にAIとの会話、右側にブラウザを置いたり、ダッシュボードを大きく表示しながら下にチャットを置いたりできる。
配置はブラウザごとに記憶される。
保存したダッシュボードを一覧できるギャラリーも追加されており、OpenClawを単なるメッセージ画面ではなく、AIが作業するワークスペースとして使う方向が進んでいる。
アップデートする人はセッション公開範囲に注意
2026.9.2には、一つ重要な注意点がある。
複数ユーザーや複数エージェントで同じGatewayを使っている場合、アップデート後にセッションの公開範囲を確認した方がよい。
今回から設定を明示していない場合、
tools.sessions.visibility
の標準範囲が広がり、エージェント間の通常アクセスも有効になる。
そのため、セッション操作権限を持つAIが、同じGatewayにある別エージェントの会話を検索したり読んだりできる場合がある。
個人で一つのGatewayを使っているだけなら影響は小さいが、家族、チーム、複数ユーザーで共用している場合は確認が必要である。
会話を分離したいなら、visibilityをagentまたはselfへ明示的に狭める方法が公式ドキュメントで案内されている。
互いに信頼していないユーザー同士では、そもそも別のGatewayと認証情報を使うことが推奨されている。
既存ユーザーは「openclaw update」で更新できる
すでにOpenClawを使っている場合、公式に推奨されている更新方法は、
openclaw update
である。
適用前に内容だけ確認したい場合は、
openclaw update –dry-run
を利用できる。
OpenClawは更新候補を検証し、設定やプラグインなどを確認してから切り替える仕組みになっている。
大きな更新前には、公式ドキュメントでもフルバックアップを作ることが推奨されている。
更新方法
https://docs.openclaw.ai/install/updating
初めて使う場合はWindowsにも対応
OpenClawはmacOSやLinuxだけでなくWindowsにも対応している。
現在はWindows向けのデスクトップアプリもあり、PowerShellから導入する方法も用意されている。
インストール方法は公式ページにまとまっている。

OpenClaw本体はオープンソースで利用できるが、接続するAIモデルによっては別途API料金や有料プランが必要になる。
GPT-6 AstraをOpenClawが無料で提供しているわけではないので、この点は分けて考えた方がよい。
AIエージェントを「長時間動かす」ための更新
今回の2026.9.2は、GPT-6 Astra対応だけを見ると単純な新モデル追加にも見える。
実際には、再起動後のタスク復旧、Swarmの標準化、長い会話の負荷軽減、設定のホットリロード、ローカルモデルの自動選択など、長時間AIを動かしたときに困りやすい部分へかなり手が入っている。
AIへ数分の質問をする用途よりも、「調査しておいて」「このコードベースを直して」「複数の仕事を並列で進めて」といった依頼を任せる人ほど違いが出る更新である。
ただし、複数エージェントを同じGatewayで使っている場合だけは、アップデート前後でセッションの公開範囲を確認しておきたい。
OpenClaw 2026.9.2 公式リリースノート
https://docs.openclaw.ai/releases/2026.9.2
GitHubリリース
https://github.com/openclaw/openclaw/releases/tag/v2026.9.2

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